マーダーミステリーの準備をしているとき、フリー音源サイトから集めたBGMや効果音を再生してみて、「この曲だけやたらと音が小さいな…」と困った経験はありませんか?
異なるクリエイターが作成した音源を組み合わせると、どうしても音量(ゲイン)にばらつきが出ます。本番中に慌ててスマホの音量ボタンをポチポチと調整するのは、GMにとって非常にストレスです。

今回は、そんな「音量問題」を解決するために私が開発した、広告なし・完全無料の音声編集アプリ「OtoCanvas」のお話をします。
リアルタイムでの音量ブーストが生んだ「致命的なラグ」
実は最初、私が以前開発したマダミス用サンプラー「GMApp」の内部に、個別の音源の音量を一時的に「大きくする」機能を組み込もうとしていました。アプリ側で再生時にリアルタイムでゲインを上げるアプローチです。
しかし、テストプレイをしていて致命的な問題が発覚しました。元の音源を無理やり大きくする処理(一時的な音声編集処理)が、一部の古いスマートフォン端末にとっては重い負荷となり、「再生ボタンを押してから音が鳴るまでに一瞬の遅れ(ラグ)が生じる」 ようになってしまったのです。
マダミスにおいて、緊迫したシーンで「銃声」などの効果音がコンマ数秒でも遅れることは、プレイヤーの没入感を完全に削いでしまいます。

発想の転換:本番前に「整音」を終わらせる
リアルタイム処理に限界を感じた私は、「本番中にアプリで音量をいじるのではなく、事前にすべての音源のボリュームを均一に『整音』しておくための専用ツールが必要だ」という結論に至りました。
ただ、パソコンの本格的な音声編集ソフトを開くのは面倒です。スマホでサクッと直感的に編集できるものが欲しい。そうして完成したのが「OtoCanvas」です。
OtoCanvasは、端末内の音声ファイルを波形で視覚的に確認しながら、音量を上げ下げしたり、不要な無音部分をカットしたりできるアプリです。
OtoCanvasのこだわりと使い方
特にこだわったのは「マダミスGMが欲しい機能だけをシンプルに搭載する」ことと、「広告なしの無料アプリにする」という点です。
例えば、ダウンロードした音源の冒頭に2秒ほどの「無音」が入っているせいで、再生タイミングがズレてしまうことがあります。OtoCanvasなら、波形を見ながらその無音部分だけを指でサッと範囲選択してカットし、新しいファイルとして保存できます。
事前にすべてのBGMと効果音を同じ音量感に整え、無駄な余白を削っておけば、本番中のGMはただ「再生ボタンを押すだけ」に集中できます。
まとめ
セッション本番の進行をスムーズにする秘訣は、「当日のタスクをどれだけ事前の準備に回せるか」にかかっています。
音源のボリューム差やタイミングのズレに悩まされているGMの方は、本番前の準備として「OtoCanvas」を活用してみてください。スマホひとつでできる「事前の整音」が、当日の心の余裕を劇的に変えてくれるはずです。