マーダーミステリーのゲームマスター(GM)を務めるとき、皆さんはBGMや効果音の操作をどのように行っていますか?
セッション中のGMは、タイムキーパー、プレイヤーへの状況説明、密談の管理など、とにかくやることが山積みです。それに加えて「適切なタイミングで音響を切り替える」というタスクは、非常に脳のメモリを消費します。

今回は、そんなGMとしての私自身の「困った」を解決するために自作したサンプラーアプリ「GMApp」の開発裏話をご紹介します。
既存のサンプラーアプリはGMにはオーバースペック?
現在、マダミスのGM界隈で音響出しによく使われているアプリといえば、「Cuezy」や「KLANG2」が代表的です。これらは非常に高機能で素晴らしいアプリなのですが、マダミスの進行という観点で見ると、いくつか気になる点がありました。
世の中にある多くのサンプラーアプリは、基本的に「効果音(SE)をポン出しするもの」であり、DJなどのライブパフォーマンスを行う人が使う想定で作られています。そのため、UIが専門性に特化しすぎていて直感的に操作しづらかったり、価格が少し高めに設定されていたりします。
「もっとシンプルに、BGMのループ再生と効果音の割り込み機能だけを備えた、マダミス専用の安価なツールが欲しい」
そう感じたことが、GM専用アプリ開発のきっかけでした。

GMAppがこだわった「マダミス特化」の機能
開発した「GMApp」は、300円という手頃な価格で、GMがセッションの没入感を高めることだけに特化しています。
特にこだわったのは、画面を見なくても直感的に操作できるシンプルなインターフェースです。マダミスでは、BGMを流しっぱなしにしながら、突然の悲鳴やチャイムなどの効果音を重ねる場面が多々あります。GMAppでは、BGMのフェードイン・フェードアウトをボタン一つで滑らかに行いながら、別の音源を遅延なく被せることができるように設計しました。
シナリオごとに「セットリスト」のように音源をグループ分けできるため、本番中に「あの音はどこだっけ?」とフォルダを探し回るパニックからも解放されます。
タイマーを内蔵することで、例えば身内でパッケージマダミスを回すだけなら、BGMと時間管理は端末一個だけで済みます。
開発の壁:App Store審査
実は開発の最終段階で、App Storeの審査という大きな壁にぶつかりました。
元々、内蔵ブラウザからフリー音源素材サイトにアクセスし、そこでダウンロードできる音源を直接パッドに割り当てる機能を実装していました。とても便利でした。
Appleは海賊版の音源に厳しく、また内蔵ブラウザにアクセス制限がないので対象年齢が引き上がり、審査が厳しくなってしまいます。なので泣く泣くこの機能は削除されました。
まとめ
音響操作はマダミスの没入感を決定づける重要な要素ですが、GMの負担になってしまっては本末転倒です。
もし「今のサンプラーアプリは少し使いにくいな」「もっと手軽に音響管理をしたいな」と感じている方がいれば、「GMApp」を試してみてください。GMの心の余裕は、必ずプレイヤーの満足度に繋がります。