マダミスで「7人プレイ・3時間」と聞くと、ちょうど良さそうに感じる一方で、「情報量が多すぎてダレそう」という不安もありませんか?
実はこのサイズ、シナリオライター目線では 情報量・議論時間・山場配置のすべてにおいて、最もバランスが難しい設計 だと私は感じています。今回は、7人・3時間という制約の中でプレイヤーを飽きさせない構成の考え方を整理します。

なぜ「7人・3時間」が難しいのか
少人数(4〜5人)・短時間(2時間)のシナリオに比べて、7人・3時間は次のような特徴があります。
- 人数が多いぶん、一人あたりの発言時間が少ない
- 全員分のHOを読む時間が長くなる
- 中盤の「情報整理フェーズ」が単調になりやすい
- 一人のキャラを掘る時間が相対的に減る
つまり、プレイヤー一人あたりの情報の「密度」と「深さ」を確保しないと、「HO読んで、議論して、終わった」 という感想だけが残ってしまいます。
情報量の配分:7人に「役割」を持たせる
7人もいると、全員に均等に情報を配ろうとすると、一人ひとりが薄まります。私は、全員に「役割」を持たせる ことで情報密度を担保するようにしています。
- 情報を多く持つ「中心人物」:2〜3人
- 特殊な視点・異質な目的を持つ「サブ主役」:2人
- 事件の輪郭を支える「目撃者タイプ」:2〜3人
このように配分すると、「議論における役割」が自然と違ってくるので、同じ情報量でも発言の性質が変わり、セッションが単調になりません。
タイムラインの黄金比:3時間をどう切るか
私が7人・3時間で使うことが多い骨組みはこんな感じです。
- 導入(10〜15分):世界観説明、キャラクター紹介、ルール説明
- HO読み込み+個別シーン(30分):情報の仕込みと、キャラへの没入
- 第1議論フェーズ(40分):情報の突き合わせ
- 追加情報フェーズ(15〜20分):新証拠・第二の事件など、場を揺さぶるイベント
- 第2議論フェーズ(40分):容疑の絞り込み
- 投票・解決・エピローグ(30分):犯人指名と真相解説、感想戦導入
合計で3時間前後に収まる形です。

「ダレないタイムライン」の作り方
7人・3時間は、中盤の40分が鬼門 です。ここで議論が停滞すると、プレイヤーの体力が先に尽きてしまいます。
私が意識しているのは、次のような工夫です。
- 中盤に必ず「揺さぶりイベント」を1つ入れる:新証拠、第二の死者、匿名のメッセージなど、議論の前提をひっくり返す装置を1つ用意する
- 議論時間を細かく区切る:40分を「20分議論 → 5分密談 → 15分議論」に分割するだけで体感がまったく変わる
- 「全員が一度は発言せざるを得ない瞬間」を仕込む:投票、質問カード、優先発言権など、強制的に流れを作る小メカニクス
私がテストプレイで一度大失敗したのは、中盤の議論を60分ぶっ通しで取ってしまったときです。中だるみを通り越して、プレイヤーがスマホをいじり始める寸前で、GMとして冷や汗しか出ませんでした。
キャラクターの「掘り下げ」時間も忘れない
7人いるとどうしても「情報処理ゲーム」になりがちですが、マダミスはあくまでロールプレイ込みで成立する遊びです。
私は、第1議論フェーズと第2議論フェーズの間に、「各キャラが必ず1分だけ独白する時間」 を入れることが多いです。この1分×7人=7分の投資が、エピローグでプレイヤーが流す(比喩的な)涙の量を何倍にもしてくれます。
まとめ
7人・3時間のマダミスは、シナリオ設計者にとって腕の見せどころの一つです。
情報は均等に配るのではなく「役割」で配分する、中盤には必ず揺さぶりを入れる、キャラ掘り下げの時間を削らない。この3点を押さえるだけで、ダレずに最後まで走り切れる構成になります。次の自作シナリオでは、まずタイムラインから設計してみてください。